B型肝炎ウイルスの再活性化(免疫療法に際して)
▶️ B型肝炎の持続感染
当事務所では、悪性リンパ腫や各種がんの治療において、HBVが再活性化して初めてB型肝炎の持続感染を知った方の例を複数取り扱い、裁判をしております。
悪性リンパ腫や各種がんの治療や、リュウマチの治療において、ステロイド剤など強力に免疫を抑制する投薬治療を受けた後にHBVウイルスが再活性化して、急性肝炎を発症するケースが報告されています。
↓ 参考記事
なかには、劇症肝炎を発症して死亡する例もあり、実際に当事務所でも同様の事例を経験いたしました。

▶️ HBc抗体が陽性の場合
それまでにHBs抗原陽性を指摘されていなくても、HBc抗体が陽性の場合は、潜在的にウイルスが存在しているいわゆる「キャリアー」の状態と考えられます。
HBVウイルスの再活性化は、HBVと宿主の免疫学的な均衡が破たんすることが原因でおこるといわれています。
このような再活性化が知られるようになってからは、近年は、抗がん剤の投与やリュウマチの治療の前には、HBs抗原だけでなく、HBc抗体の検査が実施されるようになりました。
▶️ 再活性化前の検査結果
B型肝炎訴訟において、国は、再活性化前のHB関係の検査結果の提出を求めてきます。
すなわち、免疫抑制治療により再活性が起こり、キャリアであったことがわかったとしても、幼少期からの持続感染であることの証明としては足りないという言い分です。
しかし、過去の症例では、免疫抑制の投薬を始める前にHBs抗原しか検査していないケースもあり、HBs抗原が陰性でHBc抗体が検査されていない場合、基本合意書で定められた持続感染の要件(手引き要件①)を満たさないということになってしまいます。
▶️ 持続感染であることの証明
B型肝炎訴訟においては、母子感染の否定など原告側が積極的に立証をしなければならない要件(要件4)と母子感染以外の感染の可能性の否定など消極的な立証で足りる要件(要件5)があります。
持続感染であることの証明(要件1)については、いずれの考えによるのか悩ましいところです。
私が経験した例では ↓
肝がん発症(発見)時にHBV陽性を指摘されたもののHBc抗体の検査結果がなく、肝がん発見から6か月未満で死亡された案件がありました。
この例では要件1で要求される検査項目(6か月以上間隔をあけた2時点のHBV陽性など)を満たしていませんでしたが、当事務所において、カルテの記載を指摘したり、陳述書を提出して国が和解に応じた例もありました。

再活性化の例においても、被害者救済の観点から、国が総合的に判断して和解に応じてくれるものと期待しております。
この件についても動きがありましたら、随時、本ブログで報告いたします。
▶️ HBVが再活性化、劇症肝炎で死亡された事案
H30.8.8(追記)
悪性リンパ腫の治療過程でCHOP療法により、HBVが再活性化して劇症肝炎で死亡された事案につき、再活性化前にHBs抗原陰性、HBc抗体未検査であったため、幼少期の感染であることが確認できないとして、国とは和解ができませんでした。
しかし、CHOP療法実施前にHBc抗体の検査を実施せず、再活性化による劇症肝炎の発症を予見・回避できなかったことについて、「医療過誤」であることを病院が認め、病院と和解いたしました。
このように、B型肝炎訴訟がらみでカルテを精査してみると、医療過誤の存在が明らかになることもあります。(弁護士 澤田有紀)
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