献血や健康診断で
B型肝炎ウイルスの感染
を指摘された方
持続感染(キャリア)の場合には、給付金を受け取ることができることがあります。まずは詳しい検査を受けましょう。
持続感染(キャリア)の場合には、給付金を受け取ることができることがあります。まずは詳しい検査を受けましょう。
「B型肝炎ウイルスに感染している可能性がある」と言われると心配になります。
このページでは、献血前の検査や自治体などの健康診断で感染を指摘された方が、給付金を請求するために必要な検査について、詳しく説明します。
この記事でわかること
こんな人におすすめの記事です
日本赤十字社の献血前のB型肝炎ウイルス(HBV)の検査項目は以下の4項目です。
①HBV-DNA
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B型肝炎ウイルスの遺伝子を調べます。陽性ならHBVが血液中に存在し、感染している可能性があり、6ヵ月以上持続して陽性(半年以上開けた2時点である)なら、持続感染と判定されます。(この項目は一般的な健康診断では検査されません。)
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②HBs抗原
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B型肝炎ウイルス(HBV)に現在感染しているかどうかの、一般的な検査項目です。陽性ならB型肝炎ウイルスに感染している可能性があり、6ヵ月以上持続して陽性(半年以上開けた2時点である)なら、持続感染と判定されます。
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③HBc抗体
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陽性なら過去にB型肝炎ウイルスに感染していたことがあると判定されますが、現在感染していても陽性になることがあります。検査値が一定以上なら、B型肝炎ウイルスに持続感染していると判定されます。(この項目は一般的な健康診断では検査されません。)
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④HBs抗体
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HBVに対する免疫ができているかどうかの検査項目です。陽性なら、過去にB型肝炎ウイルスに感染したことがあるか、ワクチンを接種しており、ウイルスは排除されていると判定されます。
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B型肝炎給付金の受給対象者の要件の1つ、B型肝炎ウイルス(HBV)に持続感染しているか(キャリアであるか)? の判定基準の1つは、「ウイルス陽性の検査結果が半年以上開けた2時点である(=ウイルス陽性が6ヵ月以上続く)」です。ウイルス陽性とは、HBs抗原、HBe抗原、HBc抗体、HBV-DNAなどのいずれかが陽性という意味で、これらの陽性が認められる場合は特に問題がないのですが、悩ましいのはウイルス陰性の検査結果でHBc抗体が陽性という、【表】の③の場合です。献血でB型肝炎ウイルスの感染を指摘されたという方には、このようなケースが多いです。献血では、HBs抗原が陰性でも、HBVがごく微量に紛れている可能性を考えてHBc抗体も検査することになっていて、この場合は、低力価・高力価を問わず、陽性かどうかで判断しているからです(HBVキャリアでは通常高抗体価です)。このためHBc抗体は、陽性だけでは足らず、高力価陽性という条件が付きます。
検査の結果、感染しているHBVがジェノタイプAe型でなければ、大人になってからの感染ではなく、幼少期からの持続感染※だと確認できます。ジェノタイプAe型のHBVは、1996年以降に日本での感染が確認されており、大人になってから感染しても慢性化する例が多く見られるためです。
※持続感染:6ヵ月以上B型肝炎ウイルス(HBV)が血液中に存在している状態。幼少期(新生児・乳幼児期)にHBVに感染すると、ウイルスが身体から排除されずに住み着いてしまうことがあり、このような状態の人を、持続感染者(HBVキャリア)と呼びます。
ジェノタイプ検査で幼少期からの持続感染と確認できれば、あなたは一次または二次または三次感染者として、給付金を受け取る可能性があります。
一般的な健康診断の検査では通常、HBs抗原の項目しか検査しませんので、ジェノタイプ検査を受けて、幼少期からの持続感染※を証明してください。