B型肝炎に感染しているか知りたい
大手法律事務所がテレビCMなどで「無症状でも給付対象になります」と謳っていることから、「B型肝炎に感染しているかどうかわからないが給付金請求についてききたい」というお問い合わせもあります。
◆給付金請求の要件について一次感染者(集団予防接種が原因で感染した方)の場合には、5つの要件を満たす必要があります。
①B型肝炎ウイルスの持続感染者(キャリアであること)が前提となりますが、そのほかに
②生年月日が昭和23年7月1日から昭和63年1月27日までに出生しており、
③昭和16年7月2日から昭和63年1月27日までの間に満7歳未満で日本で集団予防接種を受けたこと
④母子感染ではないこと
⑤その他集団予防接種以外の感染原因が認められないこと(成人期の感染ではないこと=ジェノタイプAeではないことや、父子感染が確認されないこと)など
の条件を満たすか順に確認していくことになります。
②と③については生年月日と幼少期と日本に居住されていたかをおききすることで条件をみたすか確認できますので、最初に確認すべきは①になります。また、④について母子感染ではないことを示すことができる可能性があるかどうか(母親が健在で検査に協力してもらえるか、また母親が亡くなっている場合は、年長のきょうだいがいるかなどです)もあわせて確認することになります。
①について、「感染しているかどうかわからない」という場合は、医療機関で血液検査をしてキャリアかどうかを確認します。
キャリアかどうかを確認するためには、「HBs抗原」と「HBc抗体」の検査(⑤の「HBVジェノタイプ検査」についても同時に依頼することもお勧めしています)を医療機関でお願いすることになりますが、対応してくれる医療機関を探して検査をお願いする労力と検査費用(保険適用外となる場合は1万円以上かかる場合もあるようです)がかかりますので、「費用対効果」の観点から、キャリアの可能性が高い場合や④の母子感染ではないことの証明の可能性がある場合など、ご事情をお聞きした上で、費用や労力の点もお伝えしてご案内しています。
CMなどで「昔、集団予防接種を受けた方」というのをみて、もしかしたら感染しているかもしれないと不安になられたり、身近な方で感染者がおられるので、自分も感染しているかもと不安になられて、お問い合わせをいただくケースでは、これから検査したいという場合には、自治体で実施している無料の肝炎ウイルス検診をお勧めしています。無料で近くにクリニックで対応してくれるので労力や費用の点でメリットがあります。
この検診では、B型肝炎については「HBs抗原」の検査のみになりますが、陽性となれば①を満たす可能性が高くなります。一方、陰性であれば、給付金請求の対象かどうか確認するために、さらにHBc抗体などを検査する必要がありますが、とりあえず、感染していないことがわかれば安心だと思います。
また、過去に献血をしたことがある場合は、HBs抗原とHBc抗体は必ず検査することになっているので、献血の経験があるけれども何も指摘されたことがないという場合は、キャリアではないことは確実ですので安心されます。
女性であれば、昭和61年以降に妊娠した方は、妊婦検診でHBs抗原の検査を受けていますので、妊婦検診で指摘されていなければキャリアである可能性はあまりありません。
病気やケガで入院したことがある場合は、入院時にたいてい「HBs抗原」が検査されていますので、これまでに入院経験がある方で指摘されていなければキャリアの可能性は低いです。
一般に健康診断でHBs抗原の検査が含まれていないことも多いので、献血、妊娠、入院の経験がない方で、②の生年月日に該当する方は、自治体の肝炎ウイルス検診をご検討されてはいかがでしょうか。
◆母子感染かもしれないというお問い合わせの場合は、まずは、母親が上記一次感染者の要件を満たす可能性があるかどうかが重要なポイントとなります。
母子感染については、昭和61年1月1日以降に出生された方は、公費で母子感染防止のワクチンが生後すぐに接種することになりましたので、それ以降は、母子感染はかなりの確率で防げるようになりました。したがいまして、昭和61年1月1日以降の生まれの方がキャリアであるケースは稀です。
(弁護士 澤田有紀)




















































