B型肝炎の症状と経過

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B型肝炎の症状と経過

B型肝炎を治療する医者のイラスト

このページでは、B型肝炎ウイルスの感染から慢性肝炎、肝硬変、さらには肝がんへの進行過程について、分かりやすく説明しています。

この記事でわかること

  • B型肝炎ウイルスの一過性感染と持続感染の違い
  • 慢性肝炎の発症から肝硬変、肝がんへの進行過程
  • B型肝炎ウイルス持続感染者の自然経過

こんな人におすすめの記事です

  • B型肝炎ウイルスに感染していると診断された方
  • B型肝炎の症状や進行過程について知りたい方
  • B型肝炎の予防と治療方法に関心がある方

B型肝炎の原因はB型肝炎ウイルス(HBV)です

肝炎を起こす原因は様々ありますが、日本ではほとんどが肝炎ウイルスの感染によるとされています。肝炎ウイルスは現在、A・B・C・D・Eの5種類の型が確認されており、B型肝炎は、B型肝炎ウイルス(HBV)に感染して起こります。基本的にHBV が肝細胞を破壊することはなく、肝細胞内で増殖するHBV を、身体の免疫機能が排除しようとするときに、HBV だけでなく肝細胞も破壊してしまうことで肝炎が発症します。

B型肝炎ウイルス(HBV)の一過性感染

免疫機能が発達した大人がHBVに感染すると、多くの場合、慢性化せずに自然に治癒する一過性感染で終わります。その結果ウイルスは体外に排除され、HBVに対する免疫を獲得します。

急性肝炎や劇症肝炎発症の可能性もあります

ただし、20~30%の方は、感染後数か月の潜伏期間を経て、全身倦怠感、発熱、食欲不振、吐き気、悪心、黄疸などの症状が出る、急性肝炎を発症することがあり、1~2%の方は、より重篤な劇症肝炎を起こすことがあります。劇症肝炎に進行すると、高度の肝不全と意識障害を起こし、約70~80%の方が死亡するといわれていますが、急性肝炎が劇症化する原因はよくわかっていません。

※近年の感染経路の多様化により、慢性化しやすいジェノタイプA型のB型肝炎が日本でも広まりつつあり、急性肝炎発症後の経過については注意が必要です。

B型肝炎ウイルス(HBV)の持続感染

幼い子どものB型肝炎ウイルス(HBV)感染、例えば出生時の母からの感染や、乳幼児期の集団予防接等による感染は、免疫機能が未発達なため、体内に入ったウイルスを異物として認識し攻撃することができないことから、肝炎を発症せず、ほぼ生涯にわたって感染が持続する(ウイルスを体内に保持する)“持続感染”の状態になります。そしてこの持続感染状態の方は、無症候性キャリア(またはキャリア)と呼ばれます。

思春期を過ぎると免疫機能が発達し、白血球(リンパ球)がHBVを体内から排除しようとする免疫反応が起こりますが、この時リンパ球がHBV に感染した肝細胞も一緒に壊してしまうことで肝炎が発症し始めます。このとき、急性B型肝炎のような自覚症状はほとんどが、肝機能の血液検査をすると、ALT(GPT)やAST(GOT)値が上昇しています。

また、10~30歳代に一過性に強い肝炎を起こすこともあり、HBe抗原陽性のウイルス増殖の高い状態からHBe抗体陽性の比較的ウイルスが少ない状態に変化します(HBe抗原からHBe抗体へのセロコンバージョン※)。HBe抗体陽性となった後は、多くの方の肝炎はおさまっていきます(この状態の方を非活動性キャリアと呼ぶこともあります)。
思春期以降に一過性の肝炎を起こした後は、そのまま肝機能が一生安定する人がほとんどですが、10~20%の人はB型慢性肝炎を発症します。B型慢性肝炎は長期化すると,肝硬変や肝がんへと進行する危険性が高いので、定期的に肝臓の検査を受けることが大切です。

※HBVキャリアの方が肝炎を発症すると、一時的にウイルス量が増加し、その後は免疫の働きでウイルス量は大幅に減少します。この時、血液中のHBe抗原が陰性(-)となり、HBe抗体が陽性(+)になります。セロコンバージョンは、HBVが免疫機能の攻撃をうけて、自分のDNAの一部を変異させることで起こります。免疫機能によってウイルスの活動がおさえ込まれるため、肝炎が沈静化し、無症候性キャリアとなります。セロコバージョンは、抗体ができて治ったのであり、臨床的治癒ではありません。実際には、セロコンバージョンが起きた後もウイルスが増殖を続け、肝炎が進行し、肝硬変や肝がんに移行する人もいることがわかってきました。

HBV持続感染者の自然経過
B型肝炎ウイルス持続感染者の自然経過チャート図
日本肝臓学会 B型肝炎治療ガイドライン第3.3版より

持続感染⇒慢性肝炎⇒肝硬変⇒肝がんへの進行について

慢性肝炎になると、HBV に感染した肝細胞は、免疫機能に破壊されて死滅します。しかし、肝臓は再生能力や予備能力が高く、ダメージをカバーしようとするため、長年にわたって肝細胞の死滅と再生が繰り返されます。しかし、細胞の再生が間に合わない場合、死滅した肝細胞の部分に、星細胞と呼ばれる肝細胞が線維を作り、肝臓が形を保つのを助けようとします。この線維が増えてしまうと、肝臓は硬くゴツゴツとしてきます。この状態が肝硬変です。肝硬変になると、肝細胞の多くが破壊され、血液の循環が悪くなるため、肝臓は本来の機能が果たせなくなります。そして長い年月の炎症により、肝がんを発症すると考えられています。

日本の肝硬変の原因は、HBV を含む肝炎ウイルスの感染が最も多いと言われており、HBV が原因の肝硬変の治療は、薬で肝機能の改善を図るか。肝臓移植になります。

また、B型肝炎の場合、無症候性キャリアや慢性肝炎の方が、肝硬変を経ることなく肝がんを発症する事例も少なくありません。原因として、HBVの DNA の一部が肝細胞のDNAに組み込まれ、がん細胞が発生することがわかってきました。そのため、キャリアの方は、肝機能検査値に異常がみられなくても、定期的に肝がんを早期発見するための検査を受ける必要があります。

未発症(無症候性キャリア)の方も、定期的に肝臓の検査を受けましよう!
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