ジェノタイプAeについて

このブログで,ジェノタイプのことを何度か触れていますが,ある弁護士の先生から問い合わせを受けました。

平成7年以前に日本でジェノタイプAeの感染者は存在しないのか。いいえ,いらっしゃいましたということを以前ブログに書きました(記事はこちら)。

この先生の依頼者の方は,子供のころにB型慢性肝炎を発症したが,当時の医療記録がなく,訴訟のために検査をしたところジェノタイプAeであることが判明したため,国に和解を拒否されたとのことです。国の担当者によると,平成7年以前にはジェノタイプAeの感染は日本ではありえないから予防接種が原因で感染したはずがないと言っているが,そんなことはないはずだということで,問い合わせをいただきました。

 

当事務所でこれまで,ご相談を受けた方の中でジェノタイプAeを判明した方は全体で10人にも満たないのですが,その中の3名は平成7年以前から感染が判明している方でした。

 

2011年5月からHBVジェノタイプ(ゲノタイプ)EIA法が保険適用となり,肝疾患の専門の医療機関ではジェノタイプ検査が実施されることも多くなりました。この方法では,ジェノタイプA,B,C,Dという大分類が判定できますので,この検査で,ジェノタイプAと出た場合のみサブジェノタイプの検査に進みます。ジェノタイプAにはサブジェノタイプがAaとAeがあり,Aeと出た場合には給付金請求の対象外となります。

これまでに,当事務所で取り扱った例でジェノタイプAaの方もいらっしゃいましたが,ジェノタイプAaは給付金請求の対象となります。

 

国立国際医療研究センター病院の平成23年度都道府県肝疾患診療連携拠点病院医師向け・臨床検査技師向け研修会における報告資料の中に,1982年から2010年までのB型急性肝炎におけるジェノタイプAの割合の推移の表が示されています(20ページ)。これによると1996年(平成8年)以降,ジェノタイプAが増えていることがわかります。平成7年以前では, 平成6年に数%,1986年に25%とあるほかは,ジェノタイプAは,0となっています。このような調査を根拠に,国は平成7年以前に感染が判明していればジェノタイプAeの可能性はなく,ジェノタイプの検査を不要としているのでしょう。

 

この資料によると,日本におけるB型急性肝炎ジェノタイプAがどのようにひろまったか系統樹による解析結果が示され,すでに多くが国内感染であることが判ったとのことです。

そして,B型急性肝炎症例におけるHIV共感染率は非Aでは1%に対して,ジェノタイプAでは10%にのぼることがわかりました。

このようなことから,国は,ジェノタイプAeであることがわかると,成人期の感染と判断して,和解を拒否するという方針をとっています。

 

今回,お問い合わせいただいた先生は,和解を拒否されても,取り下げをせず,判決まで戦うことにしたとのことです。結果がでたら教えていただくことになっていますので,本ブログでも報告させていただきます。(弁護士 澤田有紀)

 

ジェノタイプについては,こちらの記事もご参照ください。

 

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0120-7867-30(なやむな みお)

当事務所では,B型肝炎給付金を多数取り扱っており,代表弁護士の弁護士澤田有紀または弁護士伊藤勝彦が責任をもって対応させていただきます。