解決事例)二次感染:平成8年生まれで,母子の塩基配列で判定不能

二次感染で慢性肝炎の男性(平成8年生まれ),お母様は別の事務所で一次感染者として和解済みでしたが,母子のHBV分子系統解析検査(塩基配列比較検査)で「判定不能」となり,出生直後の医療記録がなかったたため,母親の裁判を委任していた弁護士事務所からは,「難しい」といわれ諦めていた方でした。当事務所の説明会にお母様がお越しになり,弁護士澤田有紀が受任いたしました。当事務所で,無事,和解が成立し,とても喜んでいただけました。

提訴年月:平成29年3月,和解年月:平成30年8月

 

厚生労働省のB型肝炎訴訟の手引き(p11)によると,二次感染者が母子感染であることを証明するためには,

①原告が出生直後に既にB型肝炎ウイルスに持続感染していたことを示す資料

または

②原告と母親のB型肝炎ウイルスの年季配列を比較した血液検査(HBV分子系統解析検査)結果

が必要とされています。

①または②以外の場合は,母子感染とは異なる原因の存在が確認されないことを立証する方法も認められていますが,その場合,「昭和60年12月31日以前に出生していること」という要件が記載されています。

 

この方の場合,上記①も②もなく,平成8年生まれであったため,母親の手続きを依頼していた事務所では,簡単にあきらめてしまったのでしょう。

 

しかし,これまでにもブログで書いていますように,当事務所は,簡単には諦めません。

昭和61年1月1日以降は,母子感染防止のための事業が始まり,母親がHBs抗原陽性の場合には,母子感染を防止するための処置がすぐに施されることになっていますので母子感染が大幅に減少したとされています。しかし,この処置も万全ではなく,結果的に赤ちゃんに感染した例もあることは知られています。

 

したがって,できるかぎりの資料を集めて,パズルのピースを埋めるように,立証を積み重ねていけば,母子感染以外の理由は見当たらないという結論に達することができる場合も多いと思います。

この方も,出生当時の記録やその後の小児科の受診記録は残っていませんでしたが,手元に残っていた資料や,通院先の医療記録など,立証を積み重ねて,国に認めさせることができました。

 

お母さんが別の事務所で和解されているケースで,二次感染は当事務所に依頼したいという方も多数いらっしゃいます。その事務所から母親の和解調書をもらえなくても,大丈夫です。

母親はすでに別の事務所で和解済みの場合」の記事もご参照ください。(弁護士澤田有紀)