二次感染者の方
お母様が他の法律事務所で和解済みで、二次感染者としてご本人やごきょうだいをまとめて請求したいというご相談が増えてきています。
このようなご相談をいただくのは、昭和40年前後の生まれの方から昭和60年生まれくらいの方まで、年齢でいうと30代から50代くらいまでの方です。この年代の方は、一次感染者の可能性もありますし、二次感染者の可能性もあります。お母様が一次感染者として和解済みということでしたら、二次感染者の請求ということになります。
お母様が既に和解済みということでしたら、二次感染者としての立証はそんなに難しくはありません。
まずは、ご自身がB型肝炎キャリアであることを示す血液検査結果があるかをご確認ください。
母子感染の立証の方法としては二通りの方法があります。
1:母子のHBV分子系統解析検査で「感染の因果関係あり」との検査結果を提出する
または
2:母子感染以外の感染原因が見当たらないことを示す
ずばり上記1で証明出来たら、話は早いのですが、検査費用が高額であること、検査に対応してくれる医療機関が限られているということ、原則として母子一緒に医療機関で採血する手間がネックになります。
検査を実施して、「感染の因果関係あり」との結果が出て証拠として用いた場合には、検査費用(65,000円)が国から支払われることになりますが、そうでない場合には、検査費用は自己負担となります。
「感染の因果関係あり」の検査結果が出ない場合というのは、母子いずれかのHBVウイルスの量が少ない場合、分析比較できず、「判定不能」となってしまうのです。核酸アナログ製剤の処方を受けている方では、ほとんどの場合、判定不能となります。
そこで、HBV-DNA量の検査結果から判定不能となることが事前に予想される場合には、分子系統検査を実施せず、2)の方法で証明することになります。
◆母子感染以外の感染原因が見当たらないことを示す場合の立証
以下をすべて満たすこと(「B型肝炎訴訟の手引き」の11頁)
①原告の出生前に母親の感染力が弱かったこと(HBe抗原が陰性であったこと)が確認されないこと
②原告が昭和60年12月31日以前に出生していること
③医療記録等に母子感染とは異なる原因の存在をうかがわせる具体的な記載がないこと
④父親が持続感染者でないか、又は父親が持続感染者の場合であっても、原告と父親のB型肝炎ウイルスの塩基配列が同定されないこと
⑤原告のB型肝炎ウイルスがジェノタイプAeではないこと
とあります。
これだけ読んでもなんのことかよくわからないと思いますが、要するに②昭和60年12月31日以前に出生していれば、問題ないことがほとんどです。
一次感染者の「要件5」集団予防接種以外の感染原因が見当たらないこととパラレルに母子感染以外の感染原因が見当たらないことを証明します。
一方、昭和61年1月1日以降に出生されている方で、母子の分子系統検査で「感染の因果関係あり」の結果がでない場合(=「判定不能」となる場合)、は少し立証のハードルがあがります。
昭和60年末で区切られている理由は昭和61年から、母子感染防止事業が始まって、全国の妊婦のB型肝炎検査を公費で行い、HBs抗原陽性HBe抗原陽性の妊婦から出生した子に対して公費でワクチンを接種するようになったことから、母子感染が劇的に減ったことによります。
とはいえ、ワクチンで100%母子感染が防止できるわけではなく、胎内で感染してしまっていたということも考えられますので、他の事務所で断られたという場合でも当事務所にご相談いただければ、お力になれると思います。
和解例は以下の記事をご参照ください。
(弁護士 澤田有紀)
【お問い合わせはフリーダイヤル】
0120-7867-30(なやむな みお)
【受付時間】
9:00~20:00
無料電話相談受付、資料送付のお問い合わせ受け付け中
LINEでのご相談は年中無休で対応中!!