先週，ｱﾃﾞｨｰﾚ法律事務所が業務停止2か月となりました。これにより，ｱﾃﾞｨｰﾚは2か月間弁護士業務を禁じられることになり，依頼中のかたとの委任契約を解除しなくてはならなくなりました。

ｱﾃﾞｨｰﾚからの書面によると依頼者の選択肢は，①弁護士なしで自分でやる，②続きを引き受けてくれる弁護士を自分で探す，③ｱﾃﾞｨｰﾚ所属の弁護士に個人受任してもらう。ということらしいです。①および②の場合は，ｱﾃﾞｨｰﾚが書類を引き継ぎますとのことです。

現に訴訟中の方もいらっしゃり，次回期日が決まっており，どうしたらいいのかという声は本当に切実です。B型肝炎給付金請求の場合，やっと書類をそろえて申し立てをして，あとは国からの返事を待つだけという状況でこんなことをいわれたら本当にお気の毒です。

先週末に衝撃のニュースが伝わり，週末は，ずっと弁護士を探して右往左往したという方が昨日何名か事務所にいらっしゃいました。

事務所にいらっしゃった方とお話ししましたが，みなさん本当にいい方で，ｱﾃﾞｨｰﾚはいい依頼者の方からいっぱい事件を受けていたんだなあとと思いました。

当事務所で引継ぎをする場合，すでに裁判中の場合は，事件番号をｱﾃﾞｨｰﾚからきいていただければ，裁判所のやり取り，ｱﾃﾞｨｰﾚとのやり取りをすべて，代行させていただき，ご依頼者様に新たな負担がでないように配慮させていただきます。すでに集団訴訟で訴訟提起されている件も，弁論分離をしてもらえるように裁判所と交渉していますので，国の審査の順番もそのままでいけそうです。

母子手帳などの原本をｱﾃﾞｨｰﾚに預けたままで不安に思っておられる方もいらっしゃいますが，ｱﾃﾞｨｰﾚからの通知を見る限り，混乱はしているかもしれませんが，最終的にはきちんと引き継いでくれると思いますし，依頼者に，できるだけ迷惑をかけないという気持ちはｱﾃﾞｨｰﾚと共有できそうです。

ｱﾃﾞｨｰﾚに依頼していてお困りの方は推定で10万人といわれています。大阪弁護士会でも臨時の相談窓口を設置しているようです。弁護士業界あげて，この問題をきちんとフォローしないと，せっかく市民に身近な司法をめざして，司法改革に取り組んできたのに，市民の信頼を損なう結果になってしまいます。依頼者に迷惑をかけないために，当事務所でできることは，なんでもやりたいと思いますので，どうか，ご遠慮なくお問い合わせいただければと思います。（弁護士　澤田有紀）

(追記11/1）アディーレ法律事務所からの引継ぎについて，当事務所と直接ｱﾃﾞｨｰﾚ法律事務所とやり取りをして，1週間程度で原本書類などすべて簡易書留郵便にて受領できております。母子手帳などを預けてご心配の方もいらっしゃいましたが，すべてこちらに移管できております。