最高裁判決:慢性肝炎再発:除斥期間の起算は再発時

昨日の最高裁判決について、再発の方の救済につながるものであり、提訴後13年もの年月を経て、判決を勝ち取られた原告および原告代理人の努力及びご苦労に心より敬意を表します。

 

B型肝炎給付金請求においては、20年以上前に、慢性肝炎を発症し、現に治療中の者は300万円としているところ、今後は1250万円の請求がみとめられるものと考えます。

 

 

以下、判決の内容について説明します。

原告(お二人)の経過ですが、若いころに肝炎を発症し、セロコンバージョンにより肝炎が沈静化したのち、再度慢性肝炎を発症したという事例です。

 

◆HBV持続感染者は,その多くが無症候性キャリアから活動性肝炎となり,
セロコンバージョン(HBe抗原が陰性化し、HBe抗体が陽性となる)が起こった後に,肝炎が鎮静化し,非活動性キャリアとなるところ,この場合,肝細胞がん等への進行リスクは低く,長期予後は良好である。

 

その一方で,HBV持続感染者は,HBe抗原陽性又は陰性の慢性B型肝炎を経て,セロコンバージョンが達成されても、肝硬変へと進行する可能性があり,肝硬変まで進行した場合,年率5~8%で肝細胞がんを発症する。

 

⇒今回の裁判では、HBe抗原陽性の慢性肝炎を発症した後、セロコンバージョンを起こし低増殖期を経たが、寛解期に移行せず、ふたたびALTが異常値となり、HBe抗原陰性の慢性肝炎を発症したとのこと。

 

高裁では、「慢性B型肝炎が,セロコンバージョンをもたらすHBVの遺伝子変異の前後を問わず,HBVへの免疫反応であることに変わりはなく,上告人らのHBe抗原陰性慢性肝炎は,HBe抗原陽性慢性肝炎が長期の経過をたどった結果,肝硬変や肝細胞がんへの進行リスクのある年齢で慢性肝炎が再燃したものにすぎない。したがって,HBe抗原陰性慢性肝炎の病状と,HBe抗原陽性慢性肝炎の病状とは,質的に異なるものではなく,HBe抗原陰性慢性肝炎の発症によって新たな損害が発生したとはいえない。」と判断しましたが、

 

これに対して最高裁は、「セロコンバージョンにより非活動性キャリアとなった後に発症するHBe抗原陰性慢性肝炎は,慢性B型肝炎の病態の中でもより進行した特異なものというべきであり,・・・・上告人らがHBe抗原陽性慢性肝炎を発症したことによる損害と,HBe抗原陰性慢性肝炎を発症したことによる損害とは,質的に異なるものであって,HBe抗原陰性慢性肝炎を発症したことによる損害は,HBe抗原陰性慢性肝炎の発症の時に発生したものというべきである」と判示し、除斥期間の起算点をHBe抗原陰性慢性肝炎の発症の時と判断しました。

 

すでに20年以上前に、慢性肝炎を発症し、現に治療中の者は300万円として和解してしまった方について、今回の判例を根拠に追加請求が可能かどうか、対応を検討したいと思います。(弁護士 澤田有紀)

 

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