お知らせ
2017.7.6
母子感染と思い込んでおられる方も多いようですが
従来から日本でみられるタイプのB型肝炎ウイルスは乳幼児期に感染するとキャリア(持続感染)となる可能性が高いといわれています。昭和50年代ころから,HBs抗原の検査が実施されるようになりましたが,陽性の場合,感染経路については,「母子感染」が一般的だと思われていたので,医師から「きっと母子感染でしょう」と言われて,ずっとそのように思い込んでおられる方も多いようです。実際に,カルテを取り寄せてみると「母子感染」「母親もB型肝炎」などという記述がある場合もありますが,給付金請求のために母親の検査を実施してみると,母親がキャリアではなかったという方も散見されます。
また,母親のHBc抗体が陽性とかHBs抗体が陽性というだけで,母親がB型肝炎の既往で母子感染と決めつけられている例もありましたが,それだけでは,母親がキャリアであることの証拠にはなりません。
これまで,多数の事例に接する中で,要件4の証明のために,母親や兄または姉(母親が死亡している場合)の検査をしてみると,ほとんどのケースでは,HBs抗原は陰性でも,HBc抗体は陽性になっています。家族の中にキャリアの方がいるわけですから,HBc抗体が陽性でも不思議ではありません。キャリアかどうかは,高力価陽性かどうかで判定することになっています。
最初から,「母子感染だから無理」と決めつけず,まずは,ご相談ください。
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