慢性肝炎和解事例(除斥期間経過直前に提訴)

50代の男性の方。

20年ほど前に,肝機能が悪化してインターフェロン治療を受けた経験があるとのことでした。慢性肝炎発症から20年が経過すると,本来1250万円の給付金を請求できるところ,300万円(インターフェロン治療歴あり)となってしまいますので,いつ発症したのか,がとても気になりました。

 

お母様がご健在でしたので,まずは,母子感染の否定ができるかどうか,母親の検査をしていただくとともに,発症当時の医療記録があるかどうかと発症の時期を特定する必要がありました。

カルテについては,20年が経過しているとのことで発症当時のカルテは残っていませんでしたが,生命保険の診断書がでてきました。中身をみると,肝機能の異常がみつかったのがその時点から20年7か月前という記載が!!

20年が経過しているのか?!と思いましたが,最初に肝機能の異常が見つかった後,しばらく病院に行かず放置されており,次に黄疸の症状が出て病院を受診した日は・・・明後日でちょうど20年が経過することがわかりました。

最初に肝機能の異常が見つかった時点を発症とみなされるのか,それともその次に検査を受けた日が発症となるのか。国はどのように言ってくるのかわかりませんが,とりあえず,当事務所としてはベストを尽くすのみ。

ほかの書類はそろっていないけれども,とりあえず,裁判することにしました。明後日までに裁判所の受付印をもらう必要があります。

ばたばたと書類を作成して裁判所に駆け込んで,ぎりぎりセーフで受付印をもらいました。

そして,何回か期日で国とやりとりをしたのち,無事に「1250万円」で和解をすることができました。発症日の特定以外にもいろいろとクリアすべき点があったのですが,なんとか和解にこぎつけられました。

その時点でベストを尽くすというのは,当たり前のことですが,すぐに気づいて実行できて,よかったです。

依頼者の方にもたいそう喜んでいただきました。(弁護士 澤田有紀)

 

申立日:平成28年2月

和解日:平成30年4月