母死亡・年長きょうだいもいない方の母子感染の否定について
母親が死亡しており、年長のきょうだいもいない(または死亡している)場合で、「母子感染でないこと」の要件を満たすためには、まずは、母親の生前の検査結果をさがすことになります。
原則として、HBs抗原陰性 かつ HBc抗体陰性(または低力価陽性)が要件となっていますので、これらの検査結果を探すのですが、HBc抗体は通常検査される機会があまりなく、一方、HBs抗原については、入院したり、内視鏡検査をする場合などに検査をされることが一般的なので、検査結果が残っているケースがあります。
カルテの法定保存期間は5年間なので、5年以内に入院して死亡されたというケースであれば、HBs抗原陰性の検査結果を見つけることが期待できます。5年以上たっている場合でも10年くらいは保存されていることが一般的なのでなんとかなる可能性があります。10年以上たっているケースでも、みつかることもありますので、まずは医療機関にカルテが残っているかどうかを問い合わせてみてください。
ただ、HBs抗原陰性の検査結果があっても、厚生労働省のB型肝炎訴訟の手引きによると、「母親が80歳未満の時点の検査結果であること」を要求されていますので、80歳を超える検査結果しか残っていない場合は、ちょっと厳しい状況となります。
しかし、これまでに、当事務所では、80歳を超えた時点のHBs抗原陰性の検査結果のみしかない場合でも、和解にこぎつけた例が複数あります。
また、母親も年長のきょうだいも死亡しているケースで、年長のきょうだいの生前のHBs抗原陰性の検査結果のみ見つかった例で、和解にこぎつけた例も複数あります。
このような例では、ほかの事務所で無理だといわれ諦めている方もいらっしゃると思いますが、いろいろと立証を工夫すれば、和解ができる可能性もありますので、あきらめずに問い合わせをいただければと思います。
(弁護士 澤田有紀)
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