B型肝炎ウイルスのキャリアかどうかの検査について
お医者さんに「B型肝炎のキャリアの証明の検査をしてください」とか「B型肝炎のキャリアでないことの証明の検査をしてください」とお願いしても,訴訟のために必要な検査をしてくれるとは限りません。
B型肝炎給付金請求において,ご本人が,キャリア(持続感染者)であることが要件となっています。「給付金請求できますか?」とお問い合わせをいただいた場合には,まず,「ご本人がキャリアかどうかの検査結果がありますか? ない場合は検査をしてください」とお答えしています。
ご本人がキャリアであることの要件を満たす場合には,
次に,「お母さんがB型肝炎のキャリアでないことを証明する検査をしてください」
「お母さんが死亡されている場合は,お兄さんかお姉さんがいらっしゃれば,どなたか一人がB型肝炎のキャリアではないことを証明する検査をしてください」とご案内しています。
厚生労働省のB型肝炎訴訟の手引きにおいては,具体的にどのような検査結果があればそれぞれの要件を満たすのか記載されており,訴訟をするためには,これに従った検査をする必要があるのですが,お医者さんはB型肝炎訴訟のためにどの検査項目が必要かは通常ご存じありません。
したがって,お医者さんに「B型肝炎のキャリアの証明の検査をしてください」とか「B型肝炎のキャリアでないことの証明の検査をしてください」とお願いしても,訴訟のために必要な検査をしてくれるとは限りません。
「ご本人がキャリアであることを証明」するには
①HBs抗原・HBV-DNA・HBe抗原のいずれかの検査結果が陽性を6か月以上間隔をあけた2時点のもの
または
②HBc抗体陽性(高力価)
となっております。
①の場合は,HBs抗原陽性が1時点ある場合は,6か月以上間隔をあけたもう1時点はHBV-DNA陽性でもOKです。 B型肝炎のフォローで通院されている場合は,HBs抗原よりもHBV-DNAのウイルス量の推移を経過観察していることが多いです。HBV-DNAが未検出となってもHBs抗原が陽性の場合もあります。
「母親または兄・姉がキャリアでないことを証明」するには
HBs抗原陰性 かつ HBc抗体陰性(または低力価陽性)が要件となっています。
※ただし,母親が死亡している場合には,母親が80歳未満の時点の検査結果であればHBs抗原陰性のみで可
となっております。
母親が死亡している場合で,80歳を超えた時点のHBs抗原陰性の検査結果のみしかない場合でも,当事務所では和解にこぎつけた例が複数あります。
HBc抗体が陽性の場合,低力価か高力価の判断が最近,検査方法の変更により,ちょっとわかりにくくなってきましたが,当事務所では検査会社に問い合わせをしたり,事例を集積して適切に判断できるように体制を整えています。
詳しくは
で解説しています。
繰り返し,ブログでも書いていますが,当事務所では,医療機関に検査を依頼するための書式を用意していますので,それをお医者様に見せて,検査を実施してもらってください。
(弁護士澤田有紀)
書式などの資料のご請求はお気軽に!
電話でのご相談も受付中です フリーダイヤル 0120-7867-30
(受付は 日曜祝日除く 午前9時から午後5時30分まで)
ネットからの電話相談のお申し込みはこちらから