B型肝炎ウイルスの二次感染(母子感染)の証明方法
最近は二次感染を含むご家族単位でのご依頼が増えています。
すなわち,お母さんが一次感染者でそのお子さん(お子さんといっても年齢的には30歳,40歳代ですが)たちという単位でのご依頼です。お母さんが無症候性キャリアでもお子さんたちが慢性肝炎や肝がんなどを発症しているケースもあり,このような場合はお母さんが子供たちのために積極的に動いてくださいます。またお子さんたちもお若い世代なのでインターネットなどで情報を収集して弁護士事務所を探してこられます。
国がB型肝炎の母子感染防止事業を本格化させた昭和61年以降は,母子感染はかなり減少しましたが,それ以前は,母子感染がキャリア成立の主因子となっていましたのでお母様が一次感染者であることの証明ができれば母子感染であることの証明はそんなに難しくありません。昭和61年以降の出生の方でも,当事務所で取り扱い例がありますのでお問い合わせください。
B型肝炎給付金請求において,二次感染(母子感染)と認められるためには,以下の1)2)3)のいずれかの方法により証明を行います。
1)本人が出生直後にすでにB型肝炎ウイルスのキャリアであったことを示す資料
→これにより証明ができれば,簡単なのですが,昭和61年以前は,ほとんどの場合,妊娠時にそもそも,母親がB型肝炎ウイルスの検査をしておらず母親がキャリアであることを知らなかったことが多いですのでこのような資料は残っていないことが通常です。
2)本人の母親のHBVウイルスの塩基配列を比較した血液検査により,塩基配列が一致しており「感染の因果関係あり」の判定があること
→これが一番確実な証明方法ですが,母親または本人のウイルス量が減少して,塩基配列が比較できないケースも結構あります。その場合は,次の3)の各要件を立証していく必要があります。
3)以下の要件をすべて満たすことにより母子感染を証明します。
①本人の出生前に母親のHBe抗原が陰性であったことが確認されないこと
→これはそんなに難しくありません。カルテが残っていなければ残っていないことの証明をすれば足ります。
②本人が昭和60年12月31日以前に出生していること
→母子感染防止事業が本格化される前に出生していることを確認します。
これについては,昭和61年以降の出生の場合で1)や2)による証明ができない場合どうなのか,問題になりますが,当事務所では昭和61年以降の出生の場合の取り扱いもありますので,ご相談ください。
③医療記録等に母子感染以外の感染原因をうかがわせる具体的記述がないこと
→これは一次感染の要件⑤と同じ考え方です。持続感染判明時からのカルテ,発症時のカルテ,最近1年間のカルテ,入院中のカルテなどを取り寄せます。
④父親が持続感染でないか,持続感染の場合は父子感染であることがHBV塩基配列検査により特定されないこと
⑤本人のB型肝炎ウイルスがジェノタイプAeでないこと
(弁護士澤田有紀)
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