給付⾦を受給者した⽅の声&
状況別解説

給付⾦を受け取った⽅の事例ごとに、受給に⾄るまでの流れを分かりやすく紹介。

| 年齢 | 20代 |
|---|---|
| 性別 | 男性 |
| 症状 | 慢性肝炎 |
| 感染経路 | 二次感染 |
| 相談内容 | カルテがない |
B型肝炎給付金の請求を進めようとしても、必要な資料がそろわず、途中で諦めてしまう方は少なくありません。とくに母子感染が疑われる場合は、出生当時の記録や検査結果が重要になるため、資料の不足が大きな壁になりやすいように感じます。
出生直後の医療記録は保存期間の関係で残っていないことが多く、転居や医療機関の閉院が重なると、さらに手がかりが少なくなります。そのため、母子感染を示す資料が見つからず、他の事務所で難しいと言われてしまうケースもあります。
けれど、資料が揃っていないからといって、すぐに請求を諦める必要はありません。残っている情報を一つずつ確認し、母子感染以外の経路が考えにくいことを丁寧に整理していけば、請求につながる可能性が見えてくることがあります。
みお綜合法律事務所には、出生時の記録が残っていない方や、検査が判定不能だった方、他事務所で断られた方からの相談も多く寄せられています。通院歴や検査値、家族の状況などを一緒に確認しながら、立証の方向性を探っていくことができます。
今回ご紹介するAさんの事例も、資料が限られていた中で立証を積み重ね、二次感染として認められたケースです。出生時の記録や塩基配列の検査がそろっていない場合でも、母子感染の可能性をどのように確認し、二次感染として認められる道を探っていくのか、そのポイントを分かりやすく紹介します。
Aさんは平成8年生まれの男性(2025年時点で29歳)で、成人してから受けた健康診断をきっかけに慢性肝炎と診断され、精密検査を経てB型肝炎の持続感染が明らかになりました。Aさんの母親は、過去にB型肝炎の一次感染者として別の法律事務所で給付金の和解が成立しており、そのためAさん自身も母子感染の可能性を考え、給付金制度について調べ始めました。
しかし、手続きを進めようとした際に大きな問題がありました。母子感染を示すために必要とされる出生直後の医療記録が残っておらず、塩基配列を比較する検査も判定不能という結果になってしまったのです。さらに、お母様の手続きを担当した事務所に相談したところ、資料が不足していることを理由に請求を断られてしまいました。
出生直後の記録は病院の保存期間が限られていることもあり、年月が経つほど残っていないことが多くなります。幼い頃の通院歴や健診記録も、転居や医療機関の廃院によって手がかりが途切れてしまうことがあります。Aさんのケースも、まさに資料が十分に揃っていない状態でした。
そうした中、お母様がみお綜合法律事務所の説明会に参加され、資料が少なくても立証を積み重ねていく方法があることを知り、Aさんの手続きを依頼されました。当事務所では、まず手元に残っている資料を丁寧に確認し、小児期の受診状況や検査の記録、家族の感染状況など、少しでも立証の手がかりとなる情報を探し出すところから始めました。
Aさんの場合、出生直後の医療記録は確認できませんでしたが、その後の健診記録、受診歴、検査値の推移など、断片的な情報を一つずつ集め、全体像を整理していきました。また、母子感染以外の感染経路が考えにくいことを示すために、年齢、生活環境、家族の状況なども丁寧に整理し、可能性を積み重ねていく形で立証を進めました。
こうした作業の結果、Aさんは二次感染者として認められ、慢性肝炎の病態で和解が成立しました。給付金額は制度に基づく水準で認められ、生活面でも安心につながる結果となりました。
資料が揃っていない状態からのスタートでしたが、断片的な情報を丁寧につなぎ合わせていくことで、請求まで進められた事例です。
B型肝炎は、B型肝炎ウイルスと呼ばれるウイルスが体の中に入り、肝臓に影響を与えることで起こる病気です。ウイルスそのものが肝細胞を壊すわけではなく、体の免疫がウイルスを排除しようとして働くことで、結果的に肝臓に炎症が起こります。感染の経路にはいくつかの種類がありますが、今回のAさんのように、お母様から出生時に感染したと考えられる場合は、母子感染と呼ばれます。
母子感染は、出生時にお母様から赤ちゃんへウイルスが移ることで起こる感染です。乳幼児の時期は免疫の働きが未成熟なため、ウイルスを排除することが難しく、体内にウイルスがとどまり続ける持続感染につながりやすいと言われています。この持続感染の状態は、検査でHBs抗原と呼ばれるウイルスの成分が陽性になることで確認できます。
持続感染が続くと、成長の過程で肝炎を起こす時期が訪れることがあります。ウイルスを排除しようとする免疫が強く働くことで、肝細胞も一緒に攻撃を受けてしまうためです。自覚症状が少ない場合でも、血液検査をすると、ALTやASTといった肝機能の数値が高くなっていることが分かります。Aさんが成人してから慢性肝炎と診断されたのも、こうした免疫の働きが長く続いた結果だと考えられます。
慢性肝炎とは、肝臓に炎症が長く続いている状態を指します。炎症が繰り返されることで、肝細胞が壊れては再生し、また壊れ、という流れが続きます。肝臓はもともと再生力のある臓器ですが、長期間にわたって炎症が続くと、細胞の再生が追いつかなくなることがあります。その結果、肝臓の組織が硬く変化していく肝硬変や、さらに進行すると肝がんにつながることもあります。そのため、慢性肝炎と診断された場合は、専門医のもとで継続して検査や治療を受けることが大切です。
母子感染を確認する方法はいくつかありますが、主に二つの資料が重要とされています。一つ目は、出生直後にすでにウイルスを持っていたことを示す資料です。生後すぐの検査結果や、当時の医療記録がこれにあたります。二つ目は、お母様とご本人のウイルスの特徴を比べる検査です。ウイルスの遺伝子を調べることで、同じ種類のウイルスかどうかを確認する方法です。
しかし、これらの資料が揃っていない場合も多くあります。出生直後の資料は病院の保存期間が限られているため、成人後に必要になった時には手に入らなくなっていることがあります。塩基配列を調べる検査についても、ウイルス量の関係などで判定が難しくなる場合があります。
このように、母子感染の立証は資料が揃っていないと難しいと考えられがちですが、必ずしもこれらの資料だけで判断されるわけではありません。たとえば、幼い頃から持続感染が続いているとみられる検査の記録や、生活環境、家族の感染状況などを丁寧に整理していくことで、母子感染以外の感染経路が考えにくいと評価される場合があります。Aさんの世代でも、こうした積み上げによって二次感染として認められたケースは少なくありません。
また、B型肝炎は成人後の感染では持続感染に至ることが少ない病気です。多くの場合は、一時的に肝炎を起こした後に回復し、ウイルスが体内から排除されます。そのため、成人になってから感染した可能性は低く、幼少期の感染が疑われるケースでは、母子感染の可能性が高いと考えられます。今回のAさんのケースも、このような医学的背景が立証の一つの支えになりました。
B型肝炎は、症状がなくても進行していることがあるため、定期的な検査と医師のフォローが欠かせません。特に慢性肝炎の場合は、数値の変化や肝臓の状態を継続して確認していくことが重要です。こうした医学的な理解は、給付金請求の手続きを進める際にも役立ちます。
B型肝炎給付金制度は、過去の集団予防接種などを通じてB型肝炎ウイルスに感染した方を救済するために設けられた制度です。給付金の目的は、感染によって生じた健康上の影響や、将来にわたる治療費の負担を軽減することにあります。感染した原因や時期、現在の病態を基準に、国から給付金が支給される仕組みになっています。
B型肝炎の感染にはいくつかの種類がありますが、大きく分けると一次感染、二次感染、三次感染という分類が用いられています。一次感染とは、集団予防接種などを通じて直接ウイルスに感染したケースを指します。母子感染の場合は、母親が一次感染者であり、そこから生まれたお子さんが感染したと考えられるため、子どもは二次感染者に分類されます。今回のAさんは、まさにこの二次感染にあたるケースです。
二次感染者が給付金を受け取るためには、母子感染であることを示す必要があります。具体的には、生後まもなくウイルスに持続感染していたことを確認できる資料や、母親とご本人のウイルスの特徴を比較する検査結果が主な根拠になります。しかし、これらの資料が揃わない場合でも、母子感染以外の感染経路が考えにくいと判断されれば、二次感染として認められる可能性があります。Aさんのように出生直後の記録や塩基配列の検査結果が得られなかったケースでも、手元に残る資料の積み重ねによって立証できた例があります。
病態ごとの給付金額は、現在の健康状態によって異なります。未発症の方、慢性肝炎、肝硬変、肝がん、そしてお亡くなりになられた方のご遺族と、それぞれに給付額が定められています。今回のAさんは慢性肝炎に該当し、発症後の期間が20年未満の場合は1250万円が基準となります。慢性肝炎は自覚症状が乏しい場合でも進行することがあるため、早めの対応が重要とされています。
また、発症から20年以上が経過している場合には、給付金額が変わることがあります。これは、発症時期を示す資料が不足しやすく、経過年数によって請求内容が異なる可能性があるためです。母子感染が疑われる方の多くは幼少期に感染し、大人になってから症状が表れるため、発症の時期を丁寧に確認していく必要があります。
Aさんのケースでは、幼少期から持続感染が続いていたとみられる検査記録や、生活環境、家族の狀況などを総合的に評価し、母子感染であると推認できる十分な根拠が確認されました。その結果、慢性肝炎の二次感染者として給付金が認められました。母親がすでに一次感染として和解していたことも、全体の流れを整理するうえで重要な情報となりましたが、母親側の和解調書そのものがなくても、請求の判断に支障はありません。
給付金制度は、感染の原因が本人の努力では避けられなかったことを前提に作られています。そのため、資料が不足しているからといって直ちに請求できないと決まるわけではありません。生活歴、家族の感染状況、過去の検査値などを丁寧に組み合わせることで、感染の経緯を示す道が開けることもあります。
制度の趣旨は、感染した方やそのご家族が、将来に向けて少しでも安心できる状況を整えることにあります。今回のAさんのように、複雑な事情がある場合でも、資料の確認や立証の方向性を一緒に考えながら進めることで、解決につながるケースは多くあります。制度を正しく理解し、現状に合わせた進め方を選んでいくことが大切です。
母子感染を示すための資料は、出生直後の医療記録や、ウイルスの特徴を比較する検査が代表的です。しかし、成人してから請求を検討される方の多くは、幼い頃の記録が残っておらず、必要な資料がそろわないという問題に直面します。母親とご本人の検査結果を比較する塩基配列の検査についても、ウイルス量の状況によっては判定不能になることがあります。資料が十分でない状況は不安を大きくしますが、それだけで手続きが閉ざされてしまうわけではありません。
資料が不足している場合に重要なのは、母子感染以外の感染経路が考えにくいことを丁寧に確認していくことです。B型肝炎は、成人になってから感染する場合、多くの方が自然に治癒し、持続感染に至ることはまれです。そのため、成人以降の生活の中で感染した可能性が低いことが確認できれば、幼少期の感染の可能性が高まり、母子感染を疑う根拠になります。
まず確認されるのは、生活歴や成長過程での環境です。幼児期に医療処置を受けた形跡がない場合、医療行為による感染の可能性は低くなります。また、周囲にB型肝炎の感染者がいない場合、家庭内で別ルートから感染したと考えるのも難しくなります。家族の状況は、感染経路を考えるうえで欠かせない情報の一つです。
次に、幼少期から持続感染が続いていたと考えられる資料を集めます。出生直後の記録がなくても、幼い頃の健康診断の結果や、小児科受診時の検査値の記録が残っていれば、持続感染を示す手がかりになります。
今回のAさんのように、手元にある資料が限られている場合でも、受診歴や検査値の推移、家族の状況などを少しずつ確認していくことで、全体像をつかむことができます。健診記録や血液検査の結果などが断片的に残っている場合は、それらをつなぎ合わせながら、どの時期からウイルスが体内にあったのかを推測していきます。
また、母親側の状況も重要な手がかりです。母親が一次感染者である場合、その子どもが持続感染しているときに、母子感染の可能性を検討することは自然な流れです。お母様がすでに手続きを終えて和解しているケースでも、和解調書の有無にかかわらず、母親の感染状況を確認することで立証の方向性が見えてくることがあります。母子感染が疑われる背景が明らかであれば、資料が限られていても進められる場合があります。
資料不足のケースでは、家族からの聞き取りや過去の生活状況の整理も役に立ちます。当時の医療機関が廃院している場合には、関連する自治体や保健所に記録が残っていないか確認することもあります。乳幼児期の予防接種の記録が残っている場合は、当時の処置や受診の状況を知る手がかりになります。細かな資料や情報を手がかりにして、一つひとつ確かめていく作業が大切です。
Aさんのケースでも、出生直後の記録や塩基配列の検査結果は利用できませんでしたが、その後の医療記録、健診結果、検査値の推移、小児期の生活環境などを丁寧に整理していくことで、母子感染以外の感染経路が考えにくい状況が浮かび上がってきました。これらの情報を組み合わせることで、母子感染であると推認する十分な根拠が得られ、和解に進むことができました。
B型肝炎給付金の手続きには期限が設けられており、2027年3月31日が申請の期限です。この日までに必要な資料をそろえ、国への請求を進める必要があります。まだ時間があるように感じられるかもしれませんが、実際には資料収集に思った以上の時間がかかることがあります。特に出生時の記録や幼少期の通院履歴は、保存期間の関係からすでに残っていない場合も多く、どの資料がどこから手に入るのかを確認するだけでも時間がかかります。
今回のAさんのように、母子感染を示すための資料が不足しているケースでは、断片的な情報を一つずつ集めながら全体像を整理する作業が必要になります。病院の廃院や転居など、さまざまな事情が重なって記録が残っていないことも珍しくありません。そのため、資料を探し始めてから実際に揃うまでに数か月を要する場合もあります。
また、慢性肝炎の方は、現在の病状だけでなく過去の検査の情報も重要になります。数値の推移や通院歴を確認することで、感染の経緯や進行の程度を把握しやすくなるためです。こうした情報の整理には、医療機関とのやり取りや資料の照会が必要になることが多く、慎重に進めるとどうしても時間がかかります。
焦って急ぐ必要はありませんが、可能であれば早めに相談していただく方が、資料の確認や立証の組み立てを余裕をもって行うことができます。とくに資料が不足している場合や、どの資料が必要なのか分からないときは、早い段階で専門家に相談することが重要です。
B型肝炎給付金の手続きでは、医療機関の記録や検査数値など専門的な資料が多く、どの資料が必要でどの部分が立証につながるのか分かりにくいことがあります。弁護士は多くの事例を扱ってきた経験から、生活歴や家族の状況、検査値の変化など、さまざまな情報を組み合わせて立証の流れを組み立てることができます。出生直後の記録や塩基配列の検査が利用できない場合でも、これまでの知識と経験をもとに、どのように可能性を考えていくかの視点を持っています。
必要な資料がどこに保管されているのか、どの医療機関へ問い合わせれば良いのかは、個人で判断するのが難しい場合があります。病院がすでに廃院していたり、保存期間を過ぎている可能性がある場合には、より慎重な対応が必要です。こうした場面でも、弁護士が間に入って必要な照会や確認を進めることで、依頼者の負担を大きく減らすことができます。
請求書類の作成や説明内容の整理など、国に提出する書面は慎重に整える必要があります。法律事務所では、書類作成や連絡の調整を一つずつ丁寧にサポートし、誤りなく手続きを進められるようにしています。ほとんどの方にとって初めての手続きでも、弁護士が関わることで安心して準備を進めていくことができます。
事務所に直接足を運ぶことが難しい場合でも、電話や郵送、オンライン面談を利用することで無理なく相談できます。ご家族と状況を共有しながら手続きを進めたいときにも、柔軟に対応できます。移動の負担がない分、体調や予定に合わせて無理なく手続きを続けることができます。
Aさんのように出生直後の記録が残っていなかったり、塩基配列の検査が判定不能だったりする場合でも、断片的な資料を丁寧に読み取りながら、母子感染の可能性を整理していくことで立証につながるケースがあります。一人では難しい資料整理も、弁護士と一緒に進めることで方向性が見えてくることがあり、請求の可能性を広げることにつながります。

Aさんの事例では、出生直後の医療記録が残っていなかったことや、塩基配列の検査が判定不能だったことから、母子感染を示すための資料が十分に揃わない状況でした。それでも、健診の記録や検査値の推移、家族の状況など、少しずつ手がかりを集めて全体を整理したことで、母子感染以外の感染経路が考えにくいと判断され、二次感染の慢性肝炎として和解が成立しました。
資料が足りないと感じると、手続きそのものを諦めてしまう方もおられます。しかし、今回のように断片的な情報を丁寧につなぎ合わせていくことで、立証できるケースは珍しくありません。出生時の資料が残っていないことは決して珍しいことではなく、塩基配列の検査が判定不能になる理由も複数あります。そのため、資料が揃っていないから難しいと言われても、そこで可能性が閉じてしまうわけではありません。
Aさんのケースは、資料が不十分な状況でも可能性を探りながら立証できた例の一つです。請求には期限がありますから、心当たりのある方は早めに相談いただければと思います。