医療記録ゼロの死亡事案でB型肝炎訴訟の和解成立!
たびたび、このブログでも取り上げていますが、死亡された事案で、患者様ご本人の医療記録が全く残っておらず、諦めておられる方に朗報です。
今回ご紹介する事案は、限界事例かと思われるほど、何も資料が残っておらず、役所に提出した「死亡診断書」と亡くなる前に入院された時に生命保険会社に保険金を請求した際の「入院証明書(診断書)」のみ。
死亡されたのは、平成11年。給付金は3600万円です。
死亡診断書には、
直接死因:肝細胞癌 発症から死亡までの期間:不詳
直接死因の原因:B型肝炎 発症から死亡までの期間:不詳
の記載があるのみ。
入院証明書には、入院期間や処置内容などもう少し詳しく記載がありましたが、内容はほぼ同様です。
カルテの法定保存期間は5年。たいていの医療機関は10年くらいは保存していますが、それを超えると、保管されているかどうかは、病院の考え次第。大きな病院だからどうとうか、小さなクリニックだからどうとかという問題でもありません。
大学病院や市民病院は、比較的保管期間が長い傾向があるように思いますが、何とも言えません。このかたも中核都市の市民病院で治療を受けておられたのですが、何も資料は残っていませんでした。
さすがにこれではどうかなという印象を持ちましたが、これまでの、経験から、いろいろと立証を工夫すれば、和解できる可能性があると判断し、お受けしました。
提訴は平成28年11月、
和解は令和1年8月(予定)です。
医療記録を出してくださいとか、いろいろと追加資料のやりとりがありましたが、残っていませんけど、・・・・・です。というやりとりを重ねた結果、国も根負けして認めてくれたのでしょう。
このような困難事案でも、これまでの経験を手掛かりになんとか光明をみつけて国を説得すればなんとかなるという自信がまたできました。
ところで、当事務所では、困難事案でも割増報酬をいただくことはしておりません。
この前、ご相談いただいた方によれば、一次感染者の母親を別の事務所に依頼して和解できたけれども困難事例だったとして報酬が25%だったとのこと。おききしてみるとさしたる困難事例でもないのに、資料を預けて、契約書を交わす段階になって、割増を言われたけれども、いまさら断れなくなって仕方なく申し込んだとか。二次感染者の申し立てはその事務所では頼みたくないとのことで、当事務所にご相談がありました。
そんなお話をきくと、ちょっと、やるせない気分になります。
今回の限界事例でも、当事務所の報酬は、給付金から8%(税別)をいただいておりますが国が4%を負担するので、実質は4%というHPの表示通りです。(弁護士澤田有紀)
その他の事例のご紹介はこちらです。
当事務所は全国対応。他の事務所で難しいとか、割増料金をいわれた方はぜひご相談ください。
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