- 一次感染者(B型肝炎給付金請求の場合)
- 昭和16年7月2日~昭和63年1月27日生まれで、満7歳までに受けた集団予防接種が原因でB型肝炎ウイルスに持続感染している方。給付金請求の対象者になります。
- インターフェロン治療
- インターフェロンは、ウイルスに感染したとき細胞が反応してできるたんぱく質で、ウイルスを攻撃したり増殖を抑える働きをします。この働きを利用して、インターフェロンを体内に入れて治療する方法が、インターフェロン治療です。現在、3種類のインターフェロンが医薬品として承認され、B型肝炎の他、C型肝炎、がんなどの治療に用いられています。
- ALT(GPT)
- GPTとも呼ばれます。肝臓に最も多く分布している酵素です。肝細胞が破壊される時に血液中に放出されるので、血液検査でALT(GPT)値を調べれば、肝臓の機能が正常かどうか判断する指標になります。
- AST(GOT)
- GOTとも呼ばれます。肝臓以外に、心臓や腎臓などにも多く存在する酵素です。肝細胞が破壊されると血液中に流れ出しますが、他の臓器にも存在するので、血液検査でAST(GOT)値だけが高い場合は、肝臓以外の病気の可能性もあるので、ALT(GPT)値も同時に調べる必要があります。
- HBs抗原
- HBs抗原とは、B型肝炎ウイルス(HBV)の外殻を構成するたんぱく質です。これが血液中にあれば(HBs抗原が陽性(+)という検査結果が出たら)、B型肝炎ウイルス(HBV)に感染していますので、さらに詳しい検査が必要です。
- HBc抗体
- HBc抗体とは、B型肝炎ウイルス(HBV)由来のたんぱく質であるHBc抗原に対して、身体が免疫反応を示して作られた物質です。一般的には低力価の場合は既往感染あるいは一過性感染、高力価の場合は持続感染と解釈されています。HBs抗原が陰性でも、HBc抗体が陽性の場合は、体内にB型肝炎ウイルスが潜伏感染していることが、最近の研究で明らかになっています。普段は症状がありませんが、何らかの原因で免疫能力が低下すると、B型肝炎ウイルスが再度増殖して、B型肝炎が再発することがあります。
- HBVキャリア
- HBVはB型肝炎ウイルスのことで、B型肝炎ウイルスに持続感染している人のことを、HBVキャリアと言います。大人になって初めてB型肝炎ウイルスに感染しても,一般的にはキャリア(持続感染者)にはならないと考えられています。HBVキャリアの人が全て検査でHBs抗原が陽性(+)になるとは限りません。
- HBV分子系統解析検査
- B型肝炎給付金請求においては、感染の因果関係を判定するために、2人以上のB型肝炎ウイルスの塩基配列を比較する血液検査。対象の人のB型肝炎ウイルスの塩基配列が一致した場合,感染の因果関係ありと判断されます。B型肝炎給付金請求においては,予防接種が原因でB型肝炎ウイルスに感染した母親からの二次感染を証明するために行います。父親がB型肝炎ウイルスに持続感染している場合には,父親からの感染ではないことを証明するための資料として用いられます。
参考資料:B型肝炎訴訟における HBV 分子系統解析検査又は HBV ジェノタイプ判定検査等 について
- 塩基配列検査
- HBV分子系統解析検査と同じです。
- 肝がん
- 肝炎や肝硬変と同様、初期にはほとんど自覚症状がありませんが、倦怠感、腹痛、食欲不振、腹部の張り、発熱、急激な体重減少などが挙げられます。さらに進行すると、みぞおちにしこりを感じたり、黄疸が見られたりします。慢性肝炎や肝硬変の場合も同様の症状がありますので、いずれにしても専門医の診断を受け、適切な処置を受ける必要があります。慢性肝炎や肝硬変などの合併症がある方は、手術がむずかしいと言われていましたが、研究が進み、有効な治療法が開発されています。
- 肝硬変
- 初期のうちは自覚症状が無い場合があります。一般的な肝炎の症状の他に、体のむくみ、腹水、手の平が赤くなったり震える、首や頬などの赤い斑点といった症状が出ることがあります。B型肝炎ウイルスが原因の肝硬変の治療は、薬で肝機能の改善を図るか、肝移植になります。慢性肝炎と言われたら、定期的に肝機能検査をして、肝硬変に移行しないよう注意する必要があります。
- 三次感染者(B型肝炎給付金請求の場合)
- 一次感染者であるご両親のいずれかから、B型肝炎ウイルスに二次感染(母子感染・父子感染)してしまった方から、さらに感染してしまった、二次感染者のお子さんのこと。給付金の請求が可能です。
参考資料:B型肝炎訴訟、母子・父子の三次感染で初の和解
- GOT(AST)
- 現在はASTと呼ばれる方が一般的です。
- GPT(ALT)
- 現在はALTと呼ばれる方が一般的です。
B型肝炎給付金請求においては,GPT(ALT)が連続して6か月以上異常値になっていることが慢性肝炎発症を判断する基準の一つとなっています。
- 持続感染
- 6ヵ月以上、B型肝炎ウイルス(HBV)が血液中に存在している状態。持続感染している方はHBVキャリアとも呼ばれ、10~15%は慢性肝炎を発症すると言われています。
- 特定無症候性持続感染者(B型肝炎給付金請求の場合)
- 無症候性キャリアと同じです。
- 二次感染者(B型肝炎給付金請求の場合)
- 一次感染者であるご両親のいずれかから、B型肝炎ウイルスに感染(母子感染・父子感染)してしまった方。給付金請求の対象者になります。
- バラクルード
- 核酸アナログ製剤エンテカビルの商品名。B型肝炎ウイルスの増殖を抑える薬で、B型慢性肝炎やB型肝硬変の治療に用いられます。
- B型肝炎
- B型肝炎ウイルス(HBV)に感染して発症する肝炎のこと。HBVキャリア(HBVを体内にもっている人)の血液や体液に接することにより感染します。母子感染も含め幼児期に感染した場合は、80〜90%ほどがキャリア化し、その多くは20歳前後で肝炎を発症するといわれています。しかし、慢性化するのはそのうち10~20%ほどで、残りは症状がなく肝機能も正常な「無症候性キャリア」という状態で一生を過ごします(参考:国立研究開発法人 国立国際医療研究センター 肝炎情報センター)。悪化する例では、慢性肝炎発症後20〜30年で肝硬変に移行し、肝がんを発症します。慢性肝炎や無症候性キャリアから肝がんに移行する場合もあるため、定期的な肝がん早期発見のための検査が必要です。
- B型肝炎ウイルス(HBV)
- いく種類もある肝炎ウイルスのうちのひとつで、主に血液や体液を介して感染します。
- 父子感染
- B型肝炎ウイルスが、父から子へ感染(二次・三次感染)すること。二次感染は、出産時の母子感染だけと考えられていましたが、平成26年から、B型肝炎ウイルス給付金の支給対象である一次感染者の父から感染した、父子感染の方も、二次感染者として給付金請求の権利が認められるようになり、平成28年には、母子→父子感染による三次感染者の初の給付金請求が認められました。
参考資料:国立研究開発法人 国立国際医療研究センター 肝炎情報センター
- 母子感染
- 出産時などに母から子へB型肝炎ウイルスが感染すること。母がB型肝炎ウイルス給付金の支給対象である一次感染者の場合、母子感染した子は二次感染者になり、給付金を請求する権利が認められています。
- 慢性B型肝炎
- B型肝炎ウイルス(HBV)が増殖し、血液検査でALT高値の持続が認められ、肝臓に障害が表れている状態。
- 慢性肝炎
- 急性肝炎と違って、徐々に肝臓が破壊されていくため、倦怠感、食欲不振、微熱などの自覚症状のない方がほとんどです。しかし、自覚症状がなくて感染に気付かずに放置していると、肝硬変や肝がんなどの重い肝臓病を発症するリスクが高まります。肝炎が急速に進行・劇症化すると、悪心・嘔吐、褐色尿、黄疸、肝臓肥大による右背中の痛みなどの症状が出ます。慢性肝炎と言われたら、定期的に肝機能検査をして、肝硬変に移行しないよう注意する必要があります。
- 無症候性キャリア
- B型肝炎ウイルスを体内に持っている人のこと。乳幼児期に、B型肝炎ウイルス(HBV)に感染すると、90%以上の方が「無症候性キャリア(HBs抗原陽性)」になるといわれています。体内に多くのB型肝炎ウイルスが潜伏している状態なので、現在自覚症状がなく、肝機能の検査数値も正常な方、飲酒をしない方でも、年齢を重ねるうちに、急に肝炎を発症し、慢性肝炎、肝硬変、さらには肝がんへと進行する危険性が高まります。